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失活歯(神経の無い歯)の予後

11年前に初診でこられた患者さんです。

不適合な補綴物からの臭いが気になるとおっしゃていました。 

その当時から神経の無い歯はいずれ経年劣化が傷んできます。 おそらく抜歯が必要になると思いますとご説明し数回のメンテナンスで来院が途絶えました。

その後、先生の言う通りになってきたとおっしゃっていただき神経の無い歯が1本ずつダメになり、その都度インプラントに置き換わってきました。

今回、久しぶりに来院していただき、右下が夏頃から腫れてきました。

抜歯してみると歯根に亀裂が走っており、食いしばりなどが原因で割れていました。

以前から食いしばりがある事、それが歯を悪くさせる事をご説明し就寝中のナイトガードを装着するように勧めていたのですが叶わず、今回このような歯根破折がおきてしまったので、改めて患者さんには歯を保護する為のナイトガードを入れるよう指示しました。

11年の経過を追ってみると、改めて神経の無い歯は弱っていく事がわかります。

当医院ではできるかぎり長期的な歯の保存を目標に神経を極力とらないようメンテナンスの強化と継続した通院を患者さんにお声がけをしております。

2011年初診時のレントゲン

2022.10月撮影のレントゲン

骨吸収が進行したレントゲン 

しかし、このレントゲンでは歯根破折を認められませんでした。

このような腫脹の仕方は通常の慢性炎症ではあり得ません。

抜歯した歯を観察すると、縦亀裂が入っている事がわかりました。

この程度の亀裂は残念ながら、抜歯前に各種レントゲン撮影などで確実な亀裂線、破折線を確認する事は不可能です。

そのため、我々歯科医師は臨床所見として歯周ポケットの限局的な深いポケット形成、歯頚部寄りの腫脹、病的な動揺、浮遊感などから判断しております。

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